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特産品研究レポート③鹿児島の人気餅菓子研究を発表しました

新旧餅菓子! かご市の餅菓子人気ベスト3

鹿児島の餅

「かごしま特産品研究所」(鹿児島県商工会連合会運営)は、「10月10日の“おもちの日”」(全国餅工業協同組合制定)に合わせ「餅菓子商品」について調査しました。

昨今、抹茶やほうじ茶、きなこ味、黒糖・黒蜜味など和風味の菓子やアイスクリームが発売され、話題になるケースが増えるなど、日本らしい食材・風味が注目されています。

そんな中、餅入りのアイスクリームやわらび餅専門店も登場。秋めいてきてお餅も美味しい季節になりました。

かご市店頭アンケートでも「◯◯餅を買いたいから」という来店理由が多く聞かれるなど、根強い人気がある鹿児島の餅菓子事情を調査しました。

▶おもちの日や、郷土菓子などの特集でぜひご取材ください。ご興味をお持ちいただけたらお気軽にお問い合わせください。

※お問い合わせ先は一番下に記載。

0:鹿児島餅菓子研究 目次

1:賞味期限が長く個包装タイプの餅が増加中
2:かご市の餅菓子人気Best3
3:鹿児島の餅、新しさ色々

1:賞味期限が長く個包装タイプが増加中

全国餅工業協同組合の統計によると「生餅」の生産量はこの10年じわりと増加しています。
「生餅」は、「脱酸素剤が封入されている袋入の餅で、賞味期限が概ね半年から1年の物。 現在は個包装された物が主流。」と定義されており、他の食品同様、お餅の世界でも賞味期限が長く個包装で「食べたいときに食べたいだけ食べられる」スタイルのものが好まれていることがわかります。

全国餅工業協同組合「100%お餅ミュージアム」HPより。全国餅工業協同組合の生産数量

餅を使った「和スイーツ、和アイス」はよく知られるところ。お菓子の和風フィリングとして餅が利用された商品が多く見られます。

昨今話題の韓国風かき氷「パッピンス」の定番トッピングにも小さなお餅が使われているようです。

伝統的な食品である餅ですが、新しいスタイルでの利用も進んでいます。

2:かご市の餅菓子人気Best3(2020年4月~2021年3月)~鹿児島に根付く郷土の餅菓子

古くから食べられている餅は、全国各地でその地域の風土文化の中で育まれ、さまざまな食べられ方をしています。鹿児島にもさつまいもといった県産食材を使ったり、祭りなどの地域文化の中で育まれたお餅がありますが、かご市の餅菓子の中の人気ベスト3をご紹介します。

かご市では、県内在住の方には「懐かしい!いつもの味」として、
県外からの観光客の方には「初めてみた!」と鹿児島独特の食への興味から
お買い求めいただいています。

1)与論の伝統餅菓子でよもぎの香りを満喫

与論島産のよもぎを練り込んだ1つ1つ手作りのお餅。無病息災を祈り作られている与論の伝統的な銘菓。旧暦3月3日の磯遊びなどで食されてきたそうです。よもぎがたっぷり練り込まれた「よもぎ餅」は与論島以外でも、県内各地で作られてきました。

商品名:よもぎもち ぷち餅
税込価格:158円
メーカー名:与論奉菓はな(与論町)

2)煎ったお米の香ばしさが人気の秘密

「煎った米の餅」から作るので「いこもち」と呼ばれる鹿児島の郷土菓子。米を煎った香ばしい香りと、もっちりした食感が好まれています。

商品名:いこもち
税込価格:120円
メーカー名:菓子工房クアトロ(薩摩川内市)

3)「天文館で買える」と人気急上昇・両棒餅

集計期間終わりに販売開始したもののBest3入り。今年度は全商品内でも上位入りが確実視される急上昇アイテム。柔らかな餅の食感と甘じょっぱいとろ~りあんが喜ばれています。

商品名:両棒餅
税込価格:300円
メーカー名:竜乃家(鹿児島市)

3:鹿児島の伝統的な餅菓子と新顔の餅菓子

1)鹿児島の伝統的な餅菓子

いこ餅:
もち米をしっかり煎って粉にしたものが主な原料。そこに砂糖湯を入れてこねあげる。煎った米で作る餅であることから「いこもち」と呼ばれる。江戸時代から伝わり祝菓子として食された。白砂糖で作るものと黒砂糖で作るものがある。

高麗餅:
江戸時代に韓国の高麗から連れて来られた陶工たちが作った菓子と言われている。もち米や米粉を主原料とし小豆あんを練って蒸し上げたお菓子。

両棒餅:
武士の脇差になぞらえ、柔らかい餅に竹串2本を刺して、甘いあんをかけたもの。2本の棒を指す中国語の両棒(リャンボウ)が語源とされる。

ふち餅・ふてぃ餅:
春になり野で摘んだよもぎで作る餅。よもぎのことを「ふち」「ふてぃ」と呼ぶ。よもぎを茹で水を絞ったものを、蒸した米といっしょについて作る。

さねん餅:
よもぎ餅や団子をさねん(月桃)の葉で包んだ餅や団子が「さねん餅・さねん団子」として鹿児島県内で作られている。

からいも餅・ねったぼ:
もちをつく時に煮たからいもを練り込んだ餅。ほんのりとした芋の甘さと柔らかさが特徴。小豆あんやきなこをまぶして食べる

2)食べやすい一口サイズの「いこもち」

棹のようかんのような棒状のものから、スライス状にカットされたものが多く見られる「いこもち」の形状ですが、最近ひそかな人気は一口サイズのもの。

パクっと食べやすく、香ばしさが異なる味が一緒に楽しめるのがその理由。仕事中でも食べやすいと、県外でも販売されているそうです。

3)鹿児島産本葛使用の「葛もち」

葛と言えば奈良県の「吉野」が有名ですが、実は鹿児島も一大生産地。本葛を使った「葛もち」のトロンツルンとしたのどごしが特徴。

葛の根のでんぷんで作られた本葛は、葛餅や葛まんじゅうなど和菓子のほか、葛湯や漢方薬でも使われる食材。山上憶良が万葉集に詠んだことが始まりという「秋の七草」にも葛の花があげられています。

4:かごしま特産品研究所について

鹿児島県商工会連合会が運営する店舗「かご市」で、県内特産品を深く知り”おいしく楽しく”盛り上げる調査・研究・発信を行うチーム。

 ①特産品のトレンドや利用方法の調査・研究
 ②特産品の特長や購入者の調査・研究
 ③特産品が生み出される背景・製造者の調査・研究

所長:山崎道夫(かごしま特産品市場・かご市支配人)
主席研究員:鳥丸亮(鹿児島県商工会連合会)
研究員:中島秋津子(株式会社STUDIO K)
研究員:縄田倫靖(NAWAGATE株式会社)

5:本件のお問合せ先

かごしま特産品市場「かご市」、及び同研究所に関わるお問い合わせは下記にて承ります。 
研究員 中島秋津子(スタジオK内)
HPから:スタジオK問い合わせ窓口より
お電話で:099-203-0477
※月~金9:00~18:00

かごしま特産品研究所