かごしま特産品研究所

特産品研究レポート⑬真夏の売行ランキングとその傾向

かごしま特産品研究所では、7・8月=夏の観光・帰省シーズンにおける特産品の動きについて調査・分析を行いました。

特産品の売れ行きを見たところ、通年ランキングとは違う、「夏ならでは」商品が売行ベスト10にランクインするなど、季節変動が特徴的に表れる商品があることがわかりました。

また2年以上に及ぶコロナ禍で、特産品の県外発送が増え定着しつつあることなどの傾向もみられるレポートです。

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1:かご市からの県外発送急増中
2:奄美の「ミキ」は夏場がピーク
3:県内各地の夏果実「パッションフルーツ」が人気
【参考】7・8月売行ランキング
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1:かご市からの遠方発送急増中!
長引くコロナ禍で特産品の県外発送は増加基調!

宅配便を利用して、かごしま特産品市場「かご市」から特産品を箱詰めして県外発送する「かご市便」の利用件数は、7・8月で右図のように昨年急増しました。

2020年はコロナ初の夏、まん防等の影響で、来店客数が減った時期にも関わらず件数は2019年レベルを維持。

そして来店が戻り始めた2021年の件数は1.5倍と急増、今年2022年もその傾向は継続中です。

帰省できない方への特産品発送をきっかけに、「特産品を親しい人に贈る」行為が定着しつつあるようです。

2:奄美の「ミキ」は夏場がピーク!
「ミキ」は県民のみならず観光客にも人気

奄美の伝統的発酵飲料である「ミキ」。奄美出身者を中心に根強い支持があり、かご市でも年中お買い求めいただいています。

真夏のランキングでは6位にランクイン。

夏場の栄養補給として、さらに観光情報等で「ミキ」を知った観光客にもご利用いただき、一年で一番ミキが売れる月となっています。

観光客の方には、お試ししやすい200mlサイズが人気。

3:県内各地の夏果実「パッションフルーツ」が人気!
かご市のパッションフルーツは3つの離島から。✔甑島 ✔徳之島 ✔奄美大島

かご市では季節のフルーツも販売していますが、夏場の人気はパッションフルーツ。

真夏の売行ランキングでも5位にランクイン。

パッションフルーツは、「甑島・徳之島・奄美大島」の3つの離島から天文館に集まる、言わば夏の離島の味。

独特の甘い香りにつられ店頭で足を止める、ファンが多いフルーツです。

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●かごしま特産品研究所について
鹿児島県商工会連合会が運営する店舗「かご市」で、県内特産品を深く知り”おいしく楽しく”盛り上げる調査・研究・発信を行うチーム。
①特産品のトレンドや利用方法の調査・研究
②特産品の特長や購入者の調査・研究
③特産品が生み出される背景・製造者の調査・研究
所長:山崎道夫(かごしま特産品市場・かご市支配人)
主席研究員:満留玲子(鹿児島県商工会連合会)
研究員:中島秋津子(株式会社STUDIO K)
研究員:縄田倫靖(NAWAGATE株式会社)

●本件のお問合わせ先
かごしま特産品市場「かご市」、及び同研究所に関わるお問い合わせは下記にて承ります。 
研究員 中島秋津子(スタジオK内)
HPから:STUDIO K問い合わせ窓口より
お電話で:099-203-0477
※月~金9:00~18:00

かごしま特産品研究所

特産品研究レポート⑫暑い夏を乗り切る唐辛子系調味料

かごしま特産品研究所では、梅雨も明け夏本番の到来を前に、鹿児島の特産品のうち、唐辛子がピリリと効いた「辛みが特長」の唐辛子使用の調味料について調査しました。

夏をトップピークとして、春から秋まで比較的長い期間ご利用いただいていることや、自家利用に加え、お土産・手土産の利用も想定されること等がわかりました。

また、国内生産が少ない唐辛子ではありますが、県内産の唐辛子を使ったもの、唐辛子以外に県内各地の特徴的な食材を利用したものなど、地域色豊かな唐辛子系調味料をご紹介します。

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1:唐辛子の歴史と生産
2:辛み系調味料はお土産・手土産にも利用
3:鹿児島の辛み系調味料の3タイプ
   ~Aラー油系  Bソース系  C振りかける系
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1:唐辛子の歴史と生産

唐辛子は輸入が多く、国内産は希少
「激辛料理」の特集がメディアで組まれるなど、夏になると注目されるのが「唐辛子」。

諸説あるようですが、日本伝来は16世紀後半、江戸歴史年表『武江年表』には1605年頃唐辛子伝来した旨が記載されているようです※1。1625年(寛永二年)、初代からしや中島徳右衛門が、漢方薬にヒントを得た七色唐辛子を江戸の両国薬研堀にて販売を開始しており、これが今に続く「やげん堀」の創業です※2。

唐辛子は調べてみると9割以上が輸入で国内生産はごくわずかのよう。国産唐辛子を使うものは、かなり限定的と言ってよいようです。

鹿児島県での唐辛子生産量は7トンで全国シェアの2%(下図1)。県内産地の1つが鹿屋市花岡地区で栽培される「花岡胡椒」で、鹿児島県の伝統野菜にも登録されています。一時は生産が途絶えていたものを、保存していた種子から再び栽培を始めたもので、「花岡胡椒研究会」さんで栽培・加工製造に取り組まれています。
※1『日本の食文化史年表』吉川弘文館、※2やげん堀HPより。

2:辛み系調味料はお土産・手土産にも利用

購入は4~11月、暑い8月を中心に
ゴールデンウイーク・秋の観光シーズン


唐辛子系調味料はいつ買われているのか。コロナ禍の影響がない2019年1~12月のかご市販売データから調べたものが上図2です。
※2019年1~12月の平均売上/月を100として、各月の売上指数推移を示したもの

8月のトップピークに加え4月・11月にもピークがあり、夏を中心に春から秋まで比較的長い期間にわたり購入されていることがわかります。一方で冬場はかなり売行きが低調です。

夏季ニーズに加え、4月・8月・11月は観光需要・手土産需要も多い時期であり、辛味調味料が「もらうと嬉しい」手ごろなお土産や手土産として重宝されている姿が思い浮かびます。

3:鹿児島の辛み系調味料の3タイプ
~鹿児島特産品市場・かご市取り扱い商品より

A:ラー油系

唐辛子と各種シーズニングで「こく旨」タイプや、超辛唐辛子使用のラー油も!

2009年8月に桃屋から発売された「辛そうで辛くない少し辛いラー油」に始まるラー油ブームは、すっかり定着していると見え、かご市でも特色あるラー油が販売されています。

❶:前述の花岡胡椒を使ったラー油でピーナッツも入った具沢山タイプのこく旨ラー油。

❷❸:❸は❷より辛味が強いタイプ。唐辛子の一種でハバネロより辛いとされるジェロキア使用。

❹:タカエビの焼エビ使用の、海老の香りと旨みが特長のこく旨タイプ。水揚げがある阿久根で製造。

B:ソース系

炒飯やパスタ、野菜炒め、餃子のタレなど料理に使いやすいソースタイプ

一般の調味料ソースでもレギュラータイプに加えて「辛いタイプ」が発売されるケースが増えていますが、鹿児島でも辛みソースが作られています。

❺:花岡胡椒のソースタイプ。ラー油より辛味が際立つ。

❻:福山町の黒酢屋さんが作った、食べるタイプの黒酢タレ(調味料)にも「激辛」タイプ。山椒も入っており、ほんのりシビレ感もアクセント。他にちょい辛もあります。

❼:口から火を噴くパッケージの唐辛子ソース。パスタ、ピザ、揚げ物、焼そば、炒飯にかけて。

C:振りかける系

パパっと振りかけて使うタイプは、料理のアクセント、味変に

この3点は唐辛子がいずれも県内産のもの。喜界島や霧島の会社で作られています。

❽島みかんタバスコ:喜界島産花良治みかんと喜界島産青唐辛子で作ったタバスコ。さわやかな辛さが特長。

❾島きびすタバスコ:喜界島産きび酢と喜界島産赤唐辛子で作ったタバスコ。コクのある辛さが特長。

❿霧島一味:鹿児島県産唐辛子で作られた一味。

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●かごしま特産品研究所について
鹿児島県商工会連合会が運営する店舗「かご市」で、県内特産品を深く知り”おいしく楽しく”盛り上げる調査・研究・発信を行うチーム。
①特産品のトレンドや利用方法の調査・研究
②特産品の特長や購入者の調査・研究
③特産品が生み出される背景・製造者の調査・研究
所長:山崎道夫(かごしま特産品市場・かご市支配人)
主席研究員:満留玲子(鹿児島県商工会連合会)
研究員:中島秋津子(株式会社STUDIO K)
研究員:縄田倫靖(NAWAGATE株式会社)

●本件のお問合わせ先
かごしま特産品市場「かご市」、及び同研究所に関わるお問い合わせは下記にて承ります。 
研究員 中島秋津子(スタジオK内)
HPから:STUDIO K問い合わせ窓口より
お電話で:099-203-0477
※月~金9:00~18:00

かごしま特産品研究所

特産品研究レポート⑪6/28は貿易の日、海外でも愛される鹿児島の特産品

かごしま特産品研究所では、6月28日の貿易の日に合わせ、鹿児島の特産品のうち、地元鹿児島や県外のみならず、海外へも輸出されている商品について事例調査を行いました。

※貿易の日:1859年、江戸幕府が横濱・長崎・函館の3港でアメリカなど5か国と自由貿易を始めた事に由来。

鹿児島の特産品が現地の方々や在住の日本の方々に利用されていること、現地で定着するために工夫する事業者の取り組み事例がわかりました。

コロナ禍3年目、インバウンド再開や夏休みの海外旅行が話題となる昨今ですが、コロナ禍においても継続して輸出され、鹿児島の味を伝えていた鹿児島の特産品をレポートします。

===トピックス===========================
1:ミルク香がヨーロッパで好まれる「種子島茶」
2:現地食文化に合わせた提案で「麦みそ」が海外へ
3:その他、海外でも販売される鹿児島特産品
 ●即売会がきっかけで「のり佃煮」が台湾へ
 ●アメリカの日系スーパーで「田舎みそ」

1:ミルク香がヨーロッパで好まれる種子島茶

種子島松寿園『希少種子島茶 松寿』
(西之表市古田1101、代表:松下栄一さん)

▶ドイツ・フランスで愛される種子島茶
温暖な気候を生かした「日本一早い新茶の里」として知られる種子島でお茶づくりを行う種子島松寿園さんのお茶は、ドイツやフランスなどヨーロッパで販売されています。

それは代表銘柄であり品種登録もされている『松寿(しょうじゅ)』。商社を通じて業務用大袋で出荷した茶葉が現地でパッケージに詰められ、「Sunday Natural」や「PALAIS DES THES」などの店舗・ネットショップで販売されています。

▶選ばれる理由は「独特の香り」に有り!
数ある日本茶の中から選ばれている理由を松下代表に伺うと「バイヤーさんたちからは、『松寿はミルク香(バニラ香・果実香)がする』など香りを高く評価いただいている」とのこと。

▶日本茶としてパリでも高評価
Japanese TEA Selection PARIS 2021-2022では、煎茶普通蒸し部門で銅賞も受賞した『松寿』は、その高い品質と独特の香りで海を越えて楽しまれています。

▶商品名に「松寿・種子島・松下san」も
その「松寿=SHOJU」の名は、地名・種子島とともに
Sunday Naturalでの取り扱いでは
 ▶HASHIRI SHINCHA TANEGASHIMA SHOJU
PALAIS DES THESでの取り扱いでは
 ▶MATSUSHITA-SAN’S SHOJU OF TANEGASHIMA ISLAND
と商品名にしっかりとうたわれています。

2:現地食文化に合わせた提案で麦みそが海外へ

㈲はつゆき屋『鹿児島の麦みそ』
(日置市伊集院町下谷口2155 専務取締役:窪田雄治さん)

▶アメリカ・香港・台湾・フランスで愛される麦みそ
少子化や核家族化に対応して平成28年に開発した少量タイプ「鹿児島の麦みそ(カップ入)」を海外向け商談会で紹介、すぐに香港の会社から連絡があり輸出が始まりました。今では台湾、アメリカ、フランスなど輸出先は拡大しています。

▶なぜはつゆき屋の麦みそが海外で選ばれるのか?
①麹が多く甘くおいしい(やさしい味)
②添加物や化学調味料を使っていない(麦・大豆・塩のみ)
③健康を気遣い減塩のトレンドがあった(塩分控えめ)
④米味噌が多い中で麦みそは珍しい(味噌全体の1割)

▶現地を知ることで食文化と融合
ポリシーを窪田専務に伺うと「現地に行って現地を知ること」。食文化や食材が異なるため、具材には現地の野菜を提案したり、家庭用レシピも現地の言語で作成して、現地の食文化と麦みその融合を図っています。

香港の試食販売でお客様の反応が悪かったため、店舗スタッフに試食してもらいました。「味が濃い。薄めが好まれる」という意見を取り入れ、翌日から味噌を減らした薄味レシピに変更したら反応が良くなった!という出来事もあったそうです。

▶みそは世界に通用する調味料、再び海外フェア
「フランスでは、チーズ・オレンジピール(皮)・みそを合わせてワインのつまみにした利用者もいる」そうで、ヘルシー志向の中で海外でも発酵食品に注目が集まる中、「みそは世界に通用する調味料になっている」とは窪田専務。

コロナ禍でも定番売場への輸出は続いていましたが、店頭フェアは開催されませんでした。フェアが復活したら再び現地に行き、店頭で鹿児島の麦みそを広めてくれるに違いありません

3:その他、海外でも販売される鹿児島特産品

●即売会がきっかけでのり佃煮が台湾へ

㈱島興『のり佃煮(あおさのり)』
(薩摩川内市港町360-28)

▶思いがけない連絡が台湾から
商品自体は、20年以上前から鹿児島や県外で販売されていたものですが、台湾での即売会があった時に販売しました。

その即売会でこの商品を目にした台湾のバイヤーから、しばらくして会社に連絡が入り、2017年7月から販売開始となりました。

▶輸出商品はまったく同じ商品
商品自体は中身もパッケージも日本で販売しているものとまったく同じものを輸出しています。その商品に現地で表示シールが貼られ、店頭に並びます。

▶どんな所で販売されていますか?
質の良いものだけを集めた台湾の高質スーパーで販売されています。通年販売されており、そのため年3~4回台湾に向けて出荷。台湾の方も、台湾在住の日本人の方も買ってくださっているようです。

●アメリカの日系スーパーで田舎みそ

キンコー醤油㈱『田舎みそ』
(鹿児島市南栄3丁目13番地)

▶鹿児島での商談がきっかけでアメリカへ
アメリカでキンコー醤油さんの田舎みそが販売されています。日系スーパーが来鹿した時、鹿児島の貿易会社から紹介してもらったことがきっかけとなりました。

▶商品のこだわりは「国産原料」
九州産の麦、国産大豆を使用し、国産原料にこだわり麦麹の割合を高めた甘口の田舎麦みそです。

▶どんな場所で販売されていますか?
10年前から、アメリカでチェーン展開している日系スーパー(日本食を品揃えしたスーパー)で販売しています。

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かごしま特産品研究所

特産品研究レポート⑩コロナ禍でも動くお土産はバラ菓子~観光客にも地元客にも

かごしま特産品研究所では、コロナ禍3回目となる今年のゴールデンウイークに向け「お土産菓子のバラ売り」に注目した調査・分析を行いました。

見えてきたのは、コロナ禍の観光需要減でお土産用箱菓子が苦戦する中、「地元客のコロナ対応ニーズ」を獲得しているバラ売り菓子の姿でした。

数年前から各地の土産物売場で有名土産物のバラ売り・少量パック商品が増え始めていましたが、天文館のかご市でもバラ売り商品の取り扱いは増えており、バラ売りから見える土産系商品の動向をレポートします。

1:コロナ禍で5割減のお土産箱菓子と微増のバラ売り

コロナ禍の観光客減少で箱菓子は売上半減したものの
微増しているのがバラ売り菓子。

コロナ禍となり、箱菓子は売上が半減(54%)。一方、バラ売り菓子はコロナ禍で観光客利用が減少したものの、地元客利用が増えて+9%と微増、その後も増加傾向にあります。
※かご市販売実績より

2:なぜ減らない?「バラ売り菓子は誰が買う?」

かご市支配人兼、かごしま特産品研究所・山崎所長にインタビュー。
バラ売り菓子のお客様とニーズは5タイプで、
コロナ禍での地元客の利用増がバラ売り菓子増加の要因と考えられます。

3:バラ売り菓子の新顔紹介~2021年かご市ニューフェイス

左:さつま揚げ製造の技と原料をいかした海山の風味ゆたかなおせんべい

薩摩海山煎餅
・えびしっぽ(鹿児島県産タカエビ)
・きびなごあおさ(鹿児島県産キビナゴとアオサ)
・ばじるごま(鹿児島県産バジルにチーズとゴマ)
・ぴーなっつ(鹿児島県産ピーナッツ)
・うにとのり(阿久根産ムラサキウニと海苔)
・うめとしそ(阿久根のしそと梅肉)

「煎餅で楽しむ薩摩の海山の幸」をコンセプトとしたおせんべい。長年のさつまあげ製造で培った技術、石臼製法で作った魚のすり身と調味料をブレンドしてしあげたほんのり甘めの特製のヘルシーな生地と、鹿児島の海と山の幸を合わせて自社で焼き上げた逸品。6種類それぞれカラフルなパッケージに風味が違うおせんべいが1枚入っています。

右:鹿児島伝統のいこもちが食べやすい一口サイズで新登場

薩摩いこ餅

いこ餅は、鹿児島で江戸時代から親しまれてきた、しっかり煎った米粉を練り上げた香ばしい餅菓子。鹿児島の郷土菓子として親しまれてきました。かるかんのような四角いサイズが多い中、ひと口サイズで食べやすくしたのがこの「薩摩いこ餅」。1袋には、米粉を深入りした黒が3つ、浅煎りの白が3つ、合計6個のひと口サイズいこ餅が入っています。

資料:かご市のバラ売り菓子ご紹介

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かごしま特産品研究所

特産品研究レポート⑨特産品にみるSDGs ~ローカルの取り組み、キーワードは「地域内連携&循環」

3月17日は「みんな(3)で17のゴール実現」の意を込めて一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録設定された「みんなで考えるSDGsの日」。

そこでかごしま特産品市場「かご市」取り扱いの商品に関連するSDGsへの取り組みを調査した結果を紹介します。

見えてきたキーワードは「地域内の連携と循環」。1社単独ではなく、地域のつながりの中で、知恵を出し廃棄削減や資源活用を行い、そこから新商品開発や移住促進につなげる事例など、ローカルならではの姿が見えてきました。

1:移住者の視点を生かしたフードロス削減

NPO法人トカラ・インターフェイス(事務局:鹿児島市泉町13−13 十島村役場旧館)

青果で出荷できない島バナナを商品化した『島バナナコンフィチュール』

2011年に宝島に移住したトカラタカラ本名一竹さんが、キズ物・サイズ外などの理由で島外に出荷できず、畑に放置されていた島バナナに着目し開発した商品。その商品性は高く評価され
●2012鹿児島県新特産品コンクール観光連盟賞受賞
●むらおこし特産品コンテスト2018全国商工会連合会会長賞受賞
●観光庁主催”究極のお土産124選“選出
することとなりました。

移住者の新しい視点がフードロスを削減し
島の仕事と地域の魅力を生み出すトカラの好循環

かご市に十島村の特産品をご紹介いただく窓口であるNPO法人トカラ・インターフェイスさんは、島バナナコンフィチュールなど十島村の特産品販売促進や移住促進などに取り組んでいらっしゃいます。

このNPOで十島産特産品の販売促進を行うのも、移住者の生活基盤づくり支援のため。「移住者から見ると何もかも新鮮でアイデアが沸き、新しい視点で島の特産品を生み出してくれる」と仰っており、移住者=地域資源=フードロス削減=特産品が良い形で結びついている好事例です。

2:産業廃棄物を有機肥料化する取り組み

りんかけ堂(西之表市鴨女町 86)

離島の製糖工場と農家が共同する地域内循環

りんかけ堂さんは創業70余年(1950年創業)となる種子島の菓子製造メーカーです。代表銘柄「衛星りんかけ」がよく知られていますが、そのりんかけに使用する黒糖も自社で製造されています。

りんかけ堂さんの黒糖は、伝統的製造方法の基準等に適合した特産品に与えられる「ふるさと認証食品」認証もうけています。

ご存じの通り黒糖はサトウキビから作られます。サトウキビを絞った後の「バガス」と呼ばれる絞りカスを、りんかけ堂さんでは農家さんに提供しています。

搾りカス→堆肥→良質な土壌→サトウキビ

農家さんではバガスに牛糞などを加え発酵させ、良質な堆肥=有機肥料を製造、それをサトウキビや安納芋の畑に使い、土壌を活性化。糖分があり良質な堆肥になり土壌づくりに役立っているとのこと。

この産業廃棄物である「サトウキビの絞りカスをサトウキビの土壌づくりに生かす」という地域循環の取り組みを、りんかけ堂さんが地元農家さんと20年前から続けています。

※この他、種子島ではこの絞りカスから紙漉きを行い、卒業証書として生徒に授与する取り組み(西之表市安納小学校)も行われています。
※一般的にバガスは燃料、飼料、建材・衣類原料等に再利用されています。

3:産業廃棄物削減、焼酎もろみからビスケット

西酒造(日置市吹上町与倉4970-17)

本の焼酎製造から2本分の焼酎かす

焼酎の元とも言える「もろみ」を蒸留した後には焼酎カスが発生します。その量、容量で焼酎の2倍という多さ。西酒造さんでは県や大学とのプロジェクトで、この焼酎カスの有効活用に取り組んだことがあります。

もろみファイバーからビスケットを自社製造

その結果生まれたのが焼酎もろみのビスケット「ちび棒」です。
蒸留する前の焼酎もろみを固形物と液体に分け、その液体は蒸留して焼酎に、固形物=もろみファイバーをビスケットに利用したというもの。もろみファイバーは生のさつまいもに比べ食物繊維が7倍、他ミネラルなども豊富に含まれています。

西酒造さんが自社製造するこの「ちび棒」、どこか懐かしい味、サクサク・ポリポリと軽い触感のスティック状ビスケットです。

この他、西酒造さんでは焼酎カスを飼料として提供するなど、廃棄物を出さない工夫にトータルで取り組んでいます。

4:その他の取り組み

※かご市納入事業者対象アンケート回答結果より(2021.10実施)

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かごしま特産品研究所

特産品研究レポート⑧海苔・あおさ活用メニュー~節分の恵方巻・海苔の日・あおさ新物と2月は「海苔月間」 を発表しました

2月=海苔月間!…は言い過ぎ!?ではない。
のりの話題が続く2月のレポートです。

2月6日「海苔の日」は全国海苔貝類漁業協同組合連合会が定めた記念日ではありますが、それ以外にも2月を海苔月間と呼びたくなる理由があります。

①2月は鹿児島の特産品でもある「あおさ」の新物も店頭に並び始め。
②2月3日の節分で恵方巻の板海苔の残りをどうしようと気になる時期。
③さらにお歳暮でいただいた海苔佃煮の残りも気になる頃・・・。
と、とかく家庭内の海苔商品在庫が増えるのが2月です。

そこで海苔の消費動向や県内での生産状況、海苔・あおさ活用メニューをレポートします。

1:海苔の消費は増加中!

干しのりは簡単調理の名脇役!?
○海苔・あおさ等のなかで干しのりの消費動向を家計消費で調べると、この5年間、増加傾向です。

○最新データの2020年では年間3103円。

〇「干しのり」の定義としては、缶入・瓶入含む「焼のり、味付のり、青のり、もみのり、粉のり」であり、生のり、お茶漬けのりは含みません。

○調理不要でそのまま食べられること、海苔弁やたこ焼きやお好み焼きなど家庭内でのホットプレート調理など、自宅で簡単に食べたいというニーズに合致した使われているのではないかと推測します。

2:鹿児島の海苔・あおさ養殖

全国的に希少なアサクサノリ養殖は出水市+長島町で!
○いわゆる「海苔」の原料としては、養殖のアサクサノリやスサビノリという海藻が使われています。

○流通する多くの海苔はスサビノリで作られていますが、鹿児島では全国的にも希少とされるアサクサノリを養殖している点が特徴です。

○アサクサノリのほうがスサビノリより養殖が難しいため希少種となっていますが、柔らかく旨みや甘みが強いと熱心なファンがいるのは、アサクサノリ。

○県全体では8つの養殖業者(経営体)があります。

あおさ養殖に取り組むのは102養殖業者
○ヒトエグサと呼ばれる海藻から作られているのが「あおさ」です。

○鹿児島県では、鹿児島市・指宿市・姶良市・霧島市という錦江湾沿い、長島町、天城町で養殖されおり、102養殖業者で取り組まれています。

3:使いきれない海苔・あおさ・海苔佃煮、レスキューメニュー

恵方巻の板海苔が残っちゃった。

新物のあおさ買った!お味噌汁以外は何に使えるの?

歳暮でいただいた海苔の佃煮、ごはんのおともだけ

鹿児島が誇る海苔やあおさ、そして海苔佃煮を飽きずに楽しく食べられるおすすめメニューをご紹介します。

【海苔ピザ】
①ピザ台に海苔佃煮を塗る。②その上に、たまねぎスライス・ピザ用チーズ・一口大にカットした海苔をのせる。③トースターでチーズに焼き目がつくまで焼く。
♪海苔もチーズもたっぷりめが美味。たまねぎスライスのしゃき感がアクセント。

【海苔チーズ】
①板海苔を4つに切る。②スライスチーズと交互に重ねる。③海苔とチーズが張り付くまでなじませてから一口大にカット。
♪海苔とチーズの間に、わさび醤油・塩・ごま油などを塗るとお酒に合う味に。

【海苔アボカド】
①アボカドの皮と種をとり一口大にカット。②海苔は手で一口大にカット。③ボウルに①②を入れ塩または醤油、ごま・ごま油で味付けし和える。
♪アボカドのねっとり感と海苔の香ばしさが好相性。

【バター海苔パン】
①バゲットや食パンの上に厚めにバターを塗る。②その上に海苔佃煮を乗せトースター等で焼く。♪バターの塩気と佃煮の甘さの「甘じょっぱ」味。
♪バターは厚め、しっかり目にのほうが美味しい。

【豚しゃぶあおさ和え】
①しゃぶしゃぶ葉豚肉をカットしさっと茹で水気を切る。②あおさひと片を水でもどす。③ボウルに①と絞った②を入れ醤油で味付けしごま油を回しかける。
♪豚肉以外では、鳥のささみ、もも肉などを割いて使ってもOK。

4:鹿児島の海苔・あおさ商品いろいろ

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研究員:中島秋津子(株式会社STUDIO K)
研究員:縄田倫靖(NAWAGATE株式会社)

●本件のお問合わせ先

かごしま特産品市場「かご市」、及び同研究所に関わるお問い合わせは下記にて承ります。 
研究員 中島秋津子(スタジオK内)
HPから:スタジオK問い合わせ窓口より
お電話で:099-203-0477
※月~金9:00~18:00

かごしま特産品研究所

特産品研究レポート⑦大寒の日1/20は甘酒の日免疫力アップに発酵飲料[かごしま甘酒] を発表しました

サクサク食べる! 米麹と水だけ! 火入れしてない生!
個性さまざま、かごしまの地甘酒

一年じゅうで最も寒さの厳しい15日間といわれる「大寒」は二十四節気のひとつ。今年の大寒の日は1月20日で、大寒の日は「甘酒の日」でもあります。

豊富なアミノ酸やビタミン類から「食べる点滴」として2017年大ブームになった甘酒ですが、発酵食品ブームにのり、美容や健康の観点から、拡大した市場は免疫力アップの面でも支持され、ほぼそのまま継続されているようです。

かご市では鹿児島県内で製造された各種甘酒商品を取りそろえており、特に冬場は売れ行き好調な時期となっています。

0:かごしま甘酒レポート 目次

1:歴史に見る甘酒~鹿児島の行事にも欠かせない甘酒
2:甘酒トピックス
3:メイドイン鹿児島の甘酒
4:好みの甘酒の見つけ方

1:歴史に見る甘酒~鹿児島の行事にも欠かせない甘酒

甘酒の歴史を調べると、『日本の食文化史年表』(吉川弘文館)に

717年(養老元年)12.22美濃、立春の明け方に当耆郡(たぎぐん)の醴泉(れいせん)をくみ、醴酒(あまざけ)用に京都に貢進するよう命じられる~『続日本紀』
※当耆郡:岐阜県美濃国にあった郡   ※醴:さけ、あまざけ、うまい水、あまい水の意

と古くから飲用されていた記録が多く残っています。近代では今も東京の神田明神前で営業を続ける甘酒屋「天野屋」について下記の記載があります。

1846年(弘化3年)江戸神田明神前にて、甘酒屋天野屋開業

江戸時代には甘酒が一般化し飲用に加えて料理やまんじゅうにも活用されるなど用途が広がっていきました。江戸時代初期までは夏場の栄養摂取飲料(夏バテ防止)という用い方がメインだったものが、江戸中期になると主に冬場に売られるようになり、年中用いられるようになりました。

「甘酒は、豊作祝いのほぜ祭りにつきもので…」
「高隈では旧九月九日に秋祭りをする。この日どりは地域により異なる。甘酒や赤飯をたくさんつくり、豊かな収穫に感謝して仏様や神様に供える」

という記述が『聞き書 鹿児島の食事』(農山漁村文化協会)に見られ、ここ鹿児島においても暮らしに密接な飲み物だったことがわかります。

2:甘酒トピックス

1)発酵商品としての甘酒
発酵食品というと「納豆・味噌・ヨーグルト」等を思い浮かべる人が多いのですが、実は甘酒も発酵食品。腸の調子を整える「腸活」として甘酒を召し上がる方も多いようです。

2)米麹甘酒と酒粕甘酒
甘酒の原料には大きく「米麹」と「酒粕」の2種類があります。
米麹甘酒:ノンアルコール・砂糖不使用
→米麹等にお湯を加え麹菌の働きが活発になる60度前後を保つことで、米のデンプンが分解されブドウ糖やオリゴ糖となり、それが自然な甘みとなります。
酒粕甘酒:アルコールが残る、甘みを加える
→日本酒の搾りかす酒粕を水で割り甘みをつけて作るので独特の深いコクと香りがあります。

3)飲む点滴と言われるのは米麹甘酒
2017年の甘酒ブームのときには「飲む点滴」と呼ばれ、年配者の栄養摂取にも適するとされた甘酒は米麹甘酒です。酒粕甘酒が苦手な人も米麹甘酒は好きな人もあり、まずは一度お試しください。飲まず嫌いから脱出できるはず!?

4)調味料としての甘酒
自然な甘さや発酵食品という点が評価され、自然派の調味料として使う人も増えているようです。甘酒を使うと自然な甘みと同時にとろみも加わるので、煮物にするとタレがとろっと馴染んだり、肉や魚を漬け込むと柔らかく仕上がる、スイーツの砂糖代わりなる点がその理由のようです。

3:メイドイン鹿児島の「かごしま甘酒」

鹿児島でも甘酒は作られており、ローカルブランドの甘酒として親しまれています。かご市でも毎週のように購入される方もあり根強い人気を実感。1000年以上前からある甘酒ですが、2017年のブームで再度光があたり、今はすっかり定着している様子がうかがえます。全国的にも各地の食品製造メーカー、味噌・日本酒・焼酎メーカーがローカルブランドの甘酒を作っています。

4:好みの甘酒の見つけ方

○注目ポイント1:米粒感

【米粒感有り】①あまざけ、②猩々農園がつくったあまざけ
【米粒感無し】④家族の甘酒、⑤生甘酒

同じ甘酒でも米粒感が商品により異なります。
米粒感が好きな方は①②、
米粒感が無いほうをお好みの方は④⑤がおすすめになります。
→④はさらさら、⑤は米粒感はないながらクリームポテトのようにどろっとしています。

○注目ポイント2:作り手

同じドリンクタイプの②「猩々農園が作ったあまざけ」と⑤「家族の甘酒」ですが、
②猩々農園:米農家
④西酒造:焼酎メーカー
とそれぞれベースとなる事業が異なります。だからなのか、甘酒もその特徴が反映され、②猩々農園の甘酒はもち米の米粒感が少し残り米のうまさが感じられ、④西酒造の家族の甘酒は米麹と水だけで作られており麹の香りが際立つドリンクになっています。

○注目ポイント3:携帯しやすさ

【携帯しやすい・毎日定量1本】②猩々農園がつくったあまざけ、③食べる甘酒さつまの雪、④家族の甘酒
【家利用に適・甘味料として料理にも】①あま酒(はつゆき屋)、⑤生甘酒

2017年の甘酒ブーム以降、発酵食品への注目もあって甘酒を飲用する人は増えており、市場規模もブーム以前の数倍と言われています。

その結果、家だけでなく仕事場でも甘酒を飲む人、毎日1本健康のため飲む人も増えてきました。少量パックの飲み切りサイズは日々の健康習慣に取り入れやすく、最近増えている形態です。

使い方によって商品パッケージの形状やストレート/濃縮を選んでください。

●かごしま特産品研究所について

鹿児島県商工会連合会が運営する店舗「かご市」で、県内特産品を深く知り”おいしく楽しく”盛り上げる調査・研究・発信を行うチーム。

 ①特産品のトレンドや利用方法の調査・研究
 ②特産品の特長や購入者の調査・研究
 ③特産品が生み出される背景・製造者の調査・研究

所長:山崎道夫(かごしま特産品市場・かご市支配人)
主席研究員:鳥丸亮(鹿児島県商工会連合会)
研究員:中島秋津子(株式会社STUDIO K)
研究員:縄田倫靖(NAWAGATE株式会社)

●本件のお問合わせ先

かごしま特産品市場「かご市」、及び同研究所に関わるお問い合わせは下記にて承ります。 
研究員 中島秋津子(スタジオK内)
HPから:スタジオK問い合わせ窓口より
お電話で:099-203-0477
※月~金9:00~18:00

かごしま特産品研究所

特産品研究レポート⑥鹿児島特産品ランキング2021@かご市を発表しました

キーワードは「代わり消費」&「うち食消費」、県外発送は3割増

2021年も残すところ数週間となりました。そこで、かごしま特産品市場「かご市」の今年の売れ筋上位ランキングを発表いたします。

ランキングのベスト20に入る商品は、左地図のように離島を含めた鹿児島県全域で作られており、県内各地の味が楽しまれていることがわかります。

またコロナ禍ならではの影響も見られ、今年の県内特産品事情がわかる結果となりました。

2年ぶりの帰省をされる方、また遠くに住む方への送りものをされる方の、お土産選びのヒントにしていただけたら幸いです。

鹿児島特産品年間ランキング@かご市

0:かご市の年間ランキングレポート目次

1:2021年かご市人気特産品ベスト20
2:売行ランキングから見る今年のトレンド
・マスクは下火(前年より7割減)
・外食が減った結果軒並みアップしたもの
・お店に行く代わりにご当地袋ラーメン
・ベスト10入り新商品は2商品
・調味料が販売増、家庭での調理にこだわり
・県外の人への発送が3割増、送る特産品

1:2021年かご市年間ベスト20

鹿児島特産品年間ランキング@かご市

鹿児島特産品年間ランキング@かご市

2:売行ランキングから見る今年のキーワード

鹿児島特産品年間ランキング@かご市/

【Topics1】大島紬マスクは下火(前年より7割減)

ランキング19位:紬マスク

・2020年はコロナ禍により品不足となったマスクですが今年度は品不足も解消し、大島紬マスクを欲しがるこだわり派の人にも行き渡った結果7割減。
・現在はそのリピーターの方たちに定着してお買い求めいただいている状況です。

【Topics2】外食が減った結果、家庭の食事向け商品が軒並みアップ

鹿児島特産品ランキング@かご市

ランキング2位:ラ・エスプリ生ドレッシング
ランキング11位:赤鶏さつまハラミ炭火焼
ランキング13位:焼豚スライス
ランキング18位:サラミ風蒲鉾チーズ魚っち

・ドレッシングや炭火焼き、焼豚、洋風蒲鉾など、家での食事に関わるものが売上を伸ばしています。
・特にランキング11位赤鶏さつまハラミ炭火焼はコロナ前の22倍と大幅増、居酒屋の人気メニュー「鶏の炭火焼き」ですが外食が難しい時期には食べられないと、家飲み需要が後押ししたと思われます。
・また帰省できない人への仕送り便でも、外出できない時期の簡便な家庭内食として利用いただきました。

【Topics3】お店に行く代わりに自宅で楽しむご当地袋ラーメン

ランキング6位:鹿児島ラーメン豚とろ(コロナ前の対前々年+7%)
ランキング12位:ざぼんラーメン(同+22%)
ランキング14位:ラーメン小金太(同+9%)

・地元人気ラーメン店の生中華麺タイプの袋ラーメンがコロナ前よりも販売好調で推移しています。
・袋ラーメンは地元の人はもとより観光客にも人気のお土産アイテムです。
・観光客数が減っているにも関わらず売れ行き好調なのは地元鹿児島の方がラーメン店に行く代わりに家庭で利用するとともに、県外に住む人に送っていることが背景にあります。
・ご当地袋ラーメンはジャンル全体で見ても、コロナ前の2019年より25%の販売増です。

【Topics4】ベスト10入り新商品は2商品は「身近な場所で買いたい」

鹿児島特産品年間ランキング@かご市

ランキング4位:加治木まんじゅう(5個入)
ランキング7位:両棒餅

・2商品とも2021年2月に販売開始。
・鹿児島の人に愛される2品ですが、磯や加治木に行かなくても買える利便性とリピーターが多いその美味しさからいきなりベスト10入りしました。
・コロナ禍で外出が控え気味だったこと、家庭にいる時間が長かったことも売れ行き好調の理由です。

【Topics5】調味料が販売増、家庭での調理にもこだわりが。

鹿児島特産品年間ランキング@かご市

・コロナ禍で家庭内調理が増え、県内で生産されるこだわりの調味料の売行きが好調です。
・観光客による購入比率が高い醤油・酢はマイナスですが他調味料は軒並みプラス。
・外食減で家庭での調理に変化をつけたり、こだわりある調味料を使おうとする傾向が読み取れます。

【Topics6】県外への発送が3割増、送る特産品

鹿児島特産品年間ランキング@かご市

・かご市では店舗からそのまま宅配便で発送可能、その利用状況が今年2021年3割増となっています。
・帰省が減った年明けから、コロナ禍も2年目となり、遠くに住む人と直接会う代わりに、特産品に心を込めて発送されているようです。

3:かごしま特産品研究所について

鹿児島県商工会連合会が運営する店舗「かご市」で、県内特産品を深く知り”おいしく楽しく”盛り上げる調査・研究・発信を行うチーム。

 ①特産品のトレンドや利用方法の調査・研究
 ②特産品の特長や購入者の調査・研究
 ③特産品が生み出される背景・製造者の調査・研究

所長:山崎道夫(かごしま特産品市場・かご市支配人)
主席研究員:鳥丸亮(鹿児島県商工会連合会)
研究員:中島秋津子(株式会社STUDIO K
研究員:縄田倫靖(NAWAGATE株式会社)

4:本件のお問合わせ先

かごしま特産品市場「かご市」、及び同研究所に関わるお問い合わせは下記にて承ります。 
研究員 中島秋津子(スタジオK内)
HPから:スタジオK問い合わせ窓口より
お電話で:099-203-0477
※月~金9:00~18:00

/かごしま特産品研究所

特産品研究レポート⑤「鰹節を買うのは12月が最多」を発表しました

出汁はもちろん、食べる鰹節へも多様化する鰹節商品

今回は「鰹節の日」、そして「和食の日」でもある11月24日(いいふし)に合わせ「鰹節」について調査しました。

ゆるやかに生産量が減少する中、少量化や簡便化、食材化を図ることで今の暮らしで利用しやすい形へ多様化をとげている姿が見えてきました。

同時に、郷土の食材の1つ、なまり節は生産量が半減、かご市としても何かできることを…と考え下記フェアを計画しました。

かご市の鰹節フェア

期間:11/24㈬~12/23㈭
場所:天文館かご市店内
内容:かつお節関連商品の販売、なまり節に関する情報発信

0:かご市の鰹節研究レポート目次

1:鰹節を一番買うのは12月
2:鹿児島は鰹節生産№1・シェア75%
3:なまり節の生産量が半減
4:ネットで「鰹節」を検索する人は増加中
5:産地の取り組み例~漫画に登場した指宿鰹節
6:「簡便少量化」と「食べる鰹節化」へ
7:かごしま特産品研究所について
8:お問合わせ先

1:鰹節を一番買うのは12月

○そもそも鰹節はいつ、どんな理由で買うのか…を調べました。

○家計調査によると、鰹節の購入が年間でもっとも多いのは12月となっています。

冬季の鍋・おでんニーズに加え、お雑煮や煮物など出汁を多用するお節・正月料理に向けた購入と想定されます。

※参考:「出汁」というキーワードの検索数は年間で年末時が最多であり、出汁取り用の鰹節購入とひもづけられそうです。

【1世帯当たりの月別支出金額】
(二人以上の世帯、全国、令和2年)(単位:円)、総務省「家計調査」より

鰹節購入金額月次推移グラフ

2:鹿児島は鰹節生産№1・シェア75%

○「鹿児島は鰹節生産№1」と聞きますが、実際のシェアを調べてみました。

鹿児島県は№1の鰹節生産量を誇り、シェア75%となっています(2018年漁業センサスより)。

○鹿児島・静岡に2県で鰹節の99%を生産しており、
・鹿児島県枕崎市
・鹿児島県指宿市
・静岡県焼津市
が3大生産地です。出汁として和食や日々の食卓を底支えしていることになります。

3:なまり節の生産量が半減

○味噌醤油などは中長期で見るとゆるやかな減少傾向にあるものが多いのですが、鰹節の生産量について調べました。

○右図の中で特筆すべきはなまり節です。

/

なまり節は主に静岡と鹿児島で生産されていますが、生産量は大きく減少、この10年で46%と半減しています。

○なまり節は鰹節と比べ、
・元々生産者自体が少ない
・家族経営的な事業者
という話もあり、消費量の観点と、高齢化による廃業などの可能性もあるのではないかと想定しています。

【生産量推移(全国)】
2011年を100としたときの生産量比率推移。農林水産省「水産物流通統計年報/品目別水産加工品生産量累年統計」より

4:ネットで「鰹節」を検索する人は増加中

○何かを知りたい・買いたいなど行動に結びつきやすいと言われるネットの検索ワードとしての鰹節を調べました。

2011~2020年の10年間、検索数は上昇トレンドにあり、生産量の減少とは異なり、鰹節に関する情報入手意欲は高まっていると言えそうです。

【鰹節というキーワードの検索数推移】
検索数最多時を100としたときの相対値推移。Google トレンドより

5:産地の取り組み例~漫画に登場した指宿鰹節

○上記のような情報ニーズに対して、産地でどんな取り組みがなされているかを調べました。

○たとえば、指宿鰹節は山川水産加工業協同組合(鹿児島県指宿市山川新栄町9番地、25社加盟)が持つ登録商標で、令和2年2月「地域団体商標」として特許庁より認定、鰹節ブランドの育成を図っています。

○指宿鰹節は和食の料理人などプロに重用される最高級品「本枯れ節本節」で全国シェアの7割を生産していますが、一般消費者からの認知度を高めるため、上記の商標登録や地域団体商標としての取組を行うほか、都市圏消費地での体験プログラムの実施や情報発信に取り組んでいます。

○その1つとして鰹節の魅力を発信するアンバサダーを任命、そのうちの1人、漫画家のきくち正太氏が、指宿鰹節のことを料理エッセイ漫画『あたりまえのぜひたく』(幻冬舎コミックス 、2021/8/30刊)で取り上げています。

6:「簡便少量化」と「食べる鰹節化」へ

○家庭で使われる鰹節商品の在り方から現在の鰹節の利用トレンドを調べました。

○大きな流れとして「簡便化・少量化」が見られます。

○さらに、用途により3つに分けられることがわかりました。
 A出汁取り(右下の「液体調味料」へ):コロナ禍の家庭内調理増で利用増
 Bトッピング(少量パックへ):おひたし、和え物、たこ焼き、お好み焼き、チャーハン等
 C食べる鰹節:鰹節を「旨味と具材の両使い」するのが基本パターン

○「③食べる鰹節」は茶節セットやごはんのおとも、ラーメンやアヒージョなどの商品も誕生、かご市での取扱も増えています。

7:かごしま特産品研究所について

鹿児島県商工会連合会が運営する店舗「かご市」で、県内特産品を深く知り”おいしく楽しく”盛り上げる調査・研究・発信を行うチーム。

 ①特産品のトレンドや利用方法の調査・研究
 ②特産品の特長や購入者の調査・研究
 ③特産品が生み出される背景・製造者の調査・研究

所長:山崎道夫(かごしま特産品市場・かご市支配人)
主席研究員:鳥丸亮(鹿児島県商工会連合会)
研究員:中島秋津子(株式会社STUDIO K)
研究員:縄田倫靖(NAWAGATE株式会社)

8:本件のお問合わせ先

かごしま特産品市場「かご市」、及び同研究所に関わるお問い合わせは下記にて承ります。 
研究員 中島秋津子(スタジオK内)
HPから:スタジオK問い合わせ窓口より
お電話で:099-203-0477
※月~金9:00~18:00

/かごしま特産品研究所

特産品研究レポート④11月22日いい夫婦の日にちなんだ「地域の味を守る人」を発表しました

夫婦で守る・夫婦で生み出す鹿児島の特産品 3組の夫婦へのインタビュー

「かごしま特産品研究所」(鹿児島県商工会連合会運営)は「いい夫婦の日」である11月22日に合わせ、鹿児島の特産品を生み出す方たちの中から、ご夫婦で取り組んでいらっしゃる3組へのインタビューをお届けします。

日本の会社の99.7%は中小企業と言われますが、そのうち家業として代々、地域の事業・商売・雇用を守っている会社が多く存在します。そこで、ご夫婦で協力しながら役割分担しながら、鹿児島の味を作る人たちにスポットを当て、特産品が生み出される背景に着目した内容です。

▶11/22「いい夫婦の日」に合わせ、また鹿児島の味や特産品、地域振興に関わる特集などで、ぜひお問合せ・ご取材ください。

※お問い合わせ先は一番下に記載。

0:鹿児島の味をうみだすいい夫婦インタビュー目次

1:創業135年、郷土菓子の味を守る”いい夫婦”→からいも飴の冨士屋製菓㈲(大崎町)
2:二人の得意を活かして人気商品を育てる”いい夫婦”→ドイツ製法ソーセージ工房カルスコ㈱(鹿児島市)
3:自社農園を100%有機栽培に転換した”いい夫婦”→緑茶、紅茶等を有機栽培する鶴田製茶(鹿屋市)
4:かごしま特産品研究所について
5:本件のお問合わせ先

1:創業135年、郷土菓子の味を守るいい夫婦

「からいも飴はやっぱい、冨士屋あめでーす!」
のCMでおなじみの冨士屋製菓。
135年という長い歴史をもつ会社が大切にするのは「伝統」。

●事業者情報
社名:冨士屋製菓㈲
創業:明治19年(1886年)
住所:曽於郡大崎町假宿1194
電話:099-476-0067
事業内容:からいも飴をはじめとした飴類の製造・卸

●ご夫婦情報
小野 卓也:代表取締役
小野 まゆみ:取締役常務
・平成4年(1992年)に結婚、29年目

結婚後、二人でUターン

お二人が結婚されたのは平成4年。その時は横浜に住み食品問屋に勤務されていました。

「そろそろ後を継がないといけないかな…という雰囲気を感じ」、平成11年に鹿児島県大崎町にUターン、家業である冨士屋製菓に入社されました。

小野社長は営業担当として、小野常務は事務や製造担当として業務に従事、社長に就任されたのは平成22年です。

立ち位置や得意が違うから

ー同じ会社で仕事をして良いことは?
社長「何かを判断するときも、自分はスーパー、常務はお土産店などよく知っている分野が違うので、意見を出し合って商品が変わっていきます」

ーどんな風に意見を言うんですか?
常務「けっこうはっきり言います(笑」
社長「常務は作ること、自分は売ることと立ち位置が違うのもいい」
常務「意見がぶつかると家までひきずることもありますが…」

伝統を大切に…平安時代からの製法

ー大切にしていることはなんですか?
社長「伝統です。“からいも飴は冨士屋あめでーす”とCMで言ってますが、からいも飴は鹿児島の郷土菓子。うちの会社が勝手に変えていいものではない。平安時代から伝わる製法、そこはきっちり守らないといけないですよね」
社長「80才のおばあちゃんやブラジルからもお手紙をいただくんです」
常務「母が昔作ってくれたとか、近所のお菓子屋で買ってたとか。懐かしいと…」
社長「自分たちより長い歴史があるから勝手に変えられません」

一番遠い売り場は日本だと北海道。からいも飴は輸出もされていて、中国とアメリカでも販売されているそうです。

伝統を伝える自社ショップを大崎町に

ー今後の夢や目標はなんですか?
常務「お店を出したいんです。商品をぜんぶ集めて、からいも飴の歴史も伝えられるようなお店を、ここ大崎町に。から芋から飴を作っていることを知らない人も多いので伝えていきたい」
ープライベートでは?
社長「仲良く、いつまでも、ですよね」

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2:二人の得意を活かして人気商品を育てるいい夫婦

イベントでの催事販売や飲食店のメニューでも人気の
ドイツ製法ハム・ソーセージ工房の「カルスコ」。
お客様が教えてくれた人気商品は「黒豚パンチェッタ」。

●事業者情報
社名:カルスコ㈱
創業:平成23年(2011年)
住所:鹿児島市川上町287-3
電話:099-295-3738
事業内容:ドイツ製法のソーセージ・ハム、
     黒豚パンチェッタ

●ご夫婦情報
肥後 興太郎:代表取締役
肥後 すみれ:営業・事務担当
・平成23年(2012年)に結婚、10年目

父のドイツ研修にはじまる技術

肥後社長の祖父は精肉店を営んでいました。6人兄弟の末っ子だった肥後社長の父が、30数年前にドイツに渡り身につけた加工技術が、今のカルスコの核となっています。

-その時代に外国で学ぶのは珍しかったのでは?
肥後社長「当時幼かった私がアレルギー体質で、添加物を用いない食肉加工技術が高いと聞いたことが、ドイツで学ぶきっかけだったそうです」

そしてカルスコを自身で創業

帰国した肥後社長の父はソーセージ製造業を始めましたが、その後廃業。その時に取引先の方から「復活してほしい」という声が相次ぎ、肥後社長がカルスコを創業。技術は2代目、カルスコという会社は初代=創業者となります。

立ち位置や得意が違うから

-お二人が結婚されたのは約10年前、役割分担は?
すみれさん「二人目の子どもの手が少し離れた4年前から少しづつ関わるように。父と社長が商品製造で、私はもともと百貨店に勤めていたので、営業や販売の外回りと事務という分担です。小さな会社なので皆が何でもやってます」

二人の性格の違いを活かし合って

-お二人で仕事をしていかがですか?
肥後社長「わかってくれるからやりやすいです。もともと仕事をしてた経験があるので」
すみれさん「精神的には理解しやすいですね。仕事と家庭のメリハリがつきにくい所はありますが。それぞれデコボコがあって違うから…」
-どんなふうにデコボコ?
すみれさん「社長はきっちりと慎重、私は考えずにまずは行動、大雑把なところもあります(笑」

商品のことを教えてくれたお客様の声

-人気商品は?
社長「黒豚のパンチェッタですね」
すみれさん「もともとカルスコは業務用がほとんど。小売を始めましたが、商品が多過ぎて何が良いかわからなかった中、お客様たちが『パンチェッタがおいしい』と教えてくれました」
ー今後の夢は?
すみれさん「お店を持ちたいです。カルスコの商品を並べて、お客様と話しながら買っていただけるような」
肥後社長「まだ具体的な計画はないですが、いつかカルスコのお店を持てたらいいなと思います」

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3:自社農園を100%有機栽培に転換したいい夫婦

3代目茶農家がめざしたのは有機栽培。
夢は、子どもたちが安心して茶摘みができる体験農園。
紅茶の本場スリランカでも認めてもらえる高品質の紅茶づくりも目標。

●事業者情報
社名:鶴田製茶(つるだせいちゃ)
創業:昭和35年(1960年)
住所:鹿屋市輝北町下百引750
電話:099-486-1047
事業内容:有機JAS認証の自社農園茶業
     (緑茶、ほうじ茶、紅茶の生産・加工・卸)

●ご夫婦情報
鶴田 秀登:代表
鶴田 真智子:全般サポート、販売等担当
・平成27年(2015年)に結婚、6年目

アメリカ農業視察で有機に転換

祖父と父が始めた茶栽培加工を継いだ3代目。アメリカ農場視察で出会った有機栽培がきっかけで自社農園を有機栽培に転換しました。

-アメリカでは何が印象的でしたか?
代表「オーガニックの農場を視察し、大規模農場で農薬を使わず露地で地べたをはったトマトを見て、支柱を立てなくても作れるんだ!と衝撃を受けました」

-有機転換について先代(代表の父)の反応は?
代表「農業研修生の時に父は他界、有機への転換は自分で考えて自分で決めました。『自身の考えを大切に』という考えをもつ父でしたから、きっと応援してくれたと思います」

立ち位置や得意が違うから

-お二人はいつ結婚されました?
真智子さん「2015年です。大阪で働いていました。結婚を決めた時から鹿児島に行ったらお茶のことをするだろうと。不安より興味がありました。

-実際やってみていかがでしたか?
真智子さん「最初は新しいことばかりで新鮮で。最近は体の疲れも。慣れたからですかね」
代表「今は茶の栽培から加工、販売や営業まで二人で手分けしながらやっています」

暮らしと仕事は“大きなひとつ”

-仕事と家庭の区別がつきにくくありませんか?
真智子さん「確かにちゃんとした休みがないのは最初びっくりしました。いつもすべきことはありますが、落ち着いている時期もあるし、仕事と家庭を分けるというより、“大きなひとつ”みたいな感じです」

夢は体験農園の充実と紅茶の品質追求

-お茶づくりのこだわりは?
代表「農薬や化学肥料を使わない安心なお茶作り。次世代のこども達に残せる場所にしたい」

-夢はなんですか?
真智子さん「茶摘みなど体験農園を以前からやっていますがコロナで縮小。お茶以外の農業体験やホームステイ、お茶販売も含めた体験農園ができたらいいですね」
代表「以前我が家にホームステイしたスリランカ留学生の縁で、家族でスリランカにも行きました。紅茶の本場でうちのお茶をテイスティングしてもらったら、まだ香りが足りないと。それ以来、本場スリランカで認めてもらえる香りの紅茶づくりに取り組んでます。だから品質を上げるために、茶畑も拡大というより縮小を」
真智子さん「有機だし草抜きも大変だから(笑」

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4:かごしま特産品研究所について

鹿児島県商工会連合会が運営する店舗「かご市」で、県内特産品を深く知り”おいしく楽しく”盛り上げる調査・研究・発信を行うチーム。

 ①特産品のトレンドや利用方法の調査・研究
 ②特産品の特長や購入者の調査・研究
 ③特産品が生み出される背景・製造者の調査・研究

所長:山崎道夫(かごしま特産品市場・かご市支配人)
主席研究員:鳥丸亮(鹿児島県商工会連合会)
研究員:中島秋津子(株式会社STUDIO K)
研究員:縄田倫靖(NAWAGATE株式会社)

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5:本件のお問合わせ先

かごしま特産品市場「かご市」、及び同研究所に関わるお問い合わせは下記にて承ります。 
研究員 中島秋津子(スタジオK内)
HPから:スタジオK問い合わせ窓口より
お電話で:099-203-0477
※月~金9:00~18:00

かごしま特産品研究所